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歯科医師を志したきっかけとは?

理事長あいさつ子供の頃でした。猛烈な歯の痛みを経験をしたのです。それこそ、夜も寝られないほどの痛みです。子供だというのもあったと思いますが、いま考えてもこの世にあれほどの痛みがあるのか、というほどでした。

経験のある方は多いと思いますが、歯痛ほど不愉快で、人間を不機嫌にさせるものはないと思うのです。しかも、すべてのこと、勉強も家事も仕事も一切手がつけられなくなってしまいます。

母に連れられ、それこそ転がり込むようにして近所の歯科医へ駆け込みました。その先生は、子供の私に対しても真摯に接してくれ、文字通りジェントルマンでした。そんな先生の様子を見て、激痛を堪えながらもなぜかホッとしたのを覚えています。

今振り返れば、このときが私の人生の分岐点だったと思います。

なぜって、ものの数分で、かつてないほどの痛みを取り除いてくれたからです。子どもの私にとっては、魔法のように思えました。

私が歯科医師を志したきっかけは、私に治療をしてくれた、このときの先生との出会いにあります。子供心に「魔法のように人の苦痛を取り去る、こんな素晴らしい職業があるんやろか」と思ったことをはっきり覚えています。〝感動〟というものを初めて経験した出会いでもありました。

歯科医師としての原点になった、この先生とは今でも懇意にさせていただいています。


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