歯周病治療-【公式】京都市中京区の歯科・歯医者なら三条山口歯科医院

歯周病治療

すべての治療の土台に歯周病治療がある

すべての治療の土台に歯周病治療がある

当院では、すべての歯科治療を行う前に、必ず歯周病のチェックを行っています。診察の結果、歯周病がみられる患者さまには、急性症状が治まった後、最優先で歯周病の治療を行います。

歯周病は細菌感染によるお口の病気です。歯周病を放置したまま治療を施しても、再発や新たな疾患を引き起こすリスクを高めるだけだからです。

一般歯科をはじめインプラントや審美治療などの治療についても、歯茎が健康な状態であることが優先されます。

目的とする治療になかなか入れないケースがあるのはこのためです。最終的な治療を成功させるためにも、当院でははじめに歯周病の治療に時間をかけて丁寧に治療しています。ご理解いただきますようお願いいたします。

歯周病の症状とは

  • 歯茎から血が出る
  • 歯茎が腫れている
  • 口臭が気になる
  • 歯茎が痩せて、歯がグラグラしている

など

専門的なスキルを持っている衛生士による歯周病ケア

歯周病の治療は、再発防止、予防についても学会から認められている認定歯科衛生士をはじめ、経験豊富な歯科衛生士が施術を行っています。

専門的なスキルを持っている衛生士による歯周病ケア

多くの方は、歯を失う原因を加齢によるものと思っているようです。

しかし、実際に歯が抜ける原因の約半分は歯周病によるものなのです。歯周病は歯を支えている歯茎の中にある歯槽骨(しそうこつ)という骨を喪失してしまう病気であるため、土台を失った歯が抜け落ちてしまうのです。

当院の歯科衛生士による、検査、歯石除去と口腔清掃指導や生活習慣改善へのご提案によって、患者さまの歯周病の改善と予防は盤石なものになるはずです。

まずは、歯周病の有無、進行状況を歯周検査で診断します。歯周ポケット・出血の有無・歯のぐらつきなどを基本に検査を行います。さらに、歯周病原細菌の検査で歯周病のタイプなどを確認します。

あなたに潜む悪玉歯周病菌とは?

私たちの体が外界と接する皮膚や粘膜面は、多数の微生物によって覆われています。
成人に共生する細菌の数は約40兆個。人体を構成している細胞の数、約30兆個をはるかに上回っているといわれています。その中でもお口の中には、500種類とも700種類ともいわれる細菌が生息し、大腸に次いで2番目に多いといわれています。
健康な体と健康な細菌叢は互いに共生関係にありますが、細菌叢の乱れは病気を誘発し、病気は健康な細菌叢に悪影響を及ぼすというように、私たちの健康は細菌と切っても切れない関係にあります。

歯周病の研究が進むにつれて、歯周病を引き起こす細菌には悪性度の弱いものと強いものが存在し、その細菌構成によって病状の進み具合も異なることがわかってきました。これらの菌を特定すれば現在の歯周病の状態が把握できるだけでなく、この先の進行状況を予測することが可能となります。

歯周病原細菌には病原性によるヒエラルキーが存在し、その頂点に病原性の高いレッドコンプレックスと呼ばれる3菌種が存在します。それらポルフィロモナス・ジンジバリス(以下Pg菌)、タンネレラ・フォーサイシア(Tf菌)、トレポネーマ・デンティコラ(Td菌)については早期に対処しておくことで歯周病の重症化を防ぎ病状の早期改善が期待できます。

Pg菌は“キーストーン病原菌”と呼ばれ少ない数でその他多くの常在菌の量や質を変化させることで歯周病に関わる性質をもつ細菌

レッドコンプレックスの中でも特に悪性度の高いPg菌は、タンパク質を分解して栄養源とし、ヘミン鉄を利用してエネルギー源とします。歯周病が進行し、血が出るほどに強く元気になります。
また、Pg菌は“キーストーン病原菌”と呼ばれ少ない数でその他多くの常在菌の量や質を変化させることで歯周病に関わる性質をもつ細菌です。

歯周病が及ぼす全身への影響

さらに全身の病気とも深く関連し、歯茎の血管から容易に侵入し血流を介して臓器へ運ばれ、心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病など重篤な全身疾患の一因となることが証明されています。
また最近では、Pg菌が蛋白質を分解する酵素“ジンジパイン”を出し脳の神経細胞を変性させアルツハイマー型認知症の発症との関連も指摘されています。そのことから“ジンジパイン阻害薬”がアルツハイマー病を改善させる可能性についても示唆され研究が進められています。

日本人の30代以降の方の約80%は歯周病にかかっていると言われています。歯周病は単に歯茎だけの病気ではなく、私達の命を脅かす感染症による慢性疾患であることを充分理解してください。歯周病の予防・治療を行うことで全身のさまざまな病気のリスクを下げることが可能です。

しかしながら一度発症した歯周病を完全に治すことはできません。痛みがないからと放置せず、ご自身に潜むかもしれない歯周病菌に注目してください。いつから始めても遅いということはありません。適切な歯周病の治療を行い、定期的な歯科衛生管理を継続することで口内環境をコントロールすることが可能です。

最新の歯周病治療「ブルーラジカル」

従来の治療法

歯周病でお悩みの方へ。歯をできる限り残すための新しい選択肢として、当院では最先端の歯周病治療機器「ブルーラジカル(BlueRadical)」を導入しています。

ブルーラジカルとは?

ブルーラジカルは、東北大学が開発し、重度歯周病の治療に特化した世界初の歯周病治療器「ブルーラジカルP-01」です。

治療のメカニズム「ラジカル殺菌」

3%の過酸化水素水と405nmの青色レーザー照射により強力な殺菌作用を持つヒドロキシラジカル(活性酸素の一種)を発生させ、歯周ポケット内の歯周病菌やバイオフィルムを99.99%殺菌します。

ヒドロキシラジカル

この機器は、東北大学と提携機関での治験により、重度歯周病(歯周炎のステージⅢ・Ⅳ)に対し、1回の治療で歯茎の腫れを有意に減少させ、人体に影響がないことが実証されています。

ラジカル殺菌

また、厚生労働省の医療機器認定を受け、「歯周治療」において初めて「歯周炎・歯周ポケットの殺菌・スケーリング」に効果があると明記されました。従来の治療法と比較して、歯周ポケットを優位に減少させることを治験で証明した、国が認めた唯一の重度歯周病治療器です。

超音波振動のみ
従来の治療:超音波振動のみ

重度になると口腔内細菌が存在する歯石の取り残しが増え、治療が難しくなります。取り残した部分には、抗菌薬の投薬といった副作用を伴う化学療法が必要になります。

超音波振動 + ラジカル殺菌
ブルーラジカル治療:超音波振動 + ラジカル殺菌

過酸化水素とレーザー照射によるラジカル殺菌技術により、虫歯菌、歯周病を引き起こす口腔細菌を99.99%殺菌します。人体に影響はありません。

ブルーラジカルが選ばれる理由

高い殺菌力と非外科的アプローチ

  • 深い歯周ポケットに潜む細菌を効率的に死滅させ、中等度以上の歯周病やインプラント周囲炎に対し、歯周ポケットの改善(浅くなる)や炎症のコントロールが期待できます。
  • 従来の治療では難しかったバイオフィルム内の細菌殺菌も可能。
  • 外科的手術が不要な「非外科的アプローチ」であるため、痛みや腫れが少なく、回復が早いという大きな利点があります。これにより、これまで手術が必要とされていたケースでも、手術を行わずに治療できる可能性が高まり、再発予防にもつながります。

従来の治療との比較

超音波振動のみの従来の治療では、重度の歯周病において歯石の取り残しが生じやすく、副作用を伴う化学療法が必要となる場合がありました。ブルーラジカルによるラジカル殺菌は、虫歯菌や歯周病菌を効率的に殺菌し、人体への影響もありません。

予防への応用

現在歯周病の炎症がそれほど見られない方でも、特定の細菌検査(「オルコア」など)により、「レッドコンプレックス(PG菌・TD菌・TF菌)」と呼ばれる3大悪玉菌が確認される場合、将来的に歯周病やインプラント周囲炎のリスクが高いことが分かっています。このような場合には、予防的にブルーラジカルで殺菌治療を行うことで、メインテナンスの効果を高め、発症を防ぐことが期待できます。

このようなお悩みの方におすすめします

  • 歯ぐきの腫れ・出血・膿が続いている方
  • 歯がグラついてきた方
  • 他院で「抜歯しかない」と言われたが、できる限りご自身の歯を残したい方
  • インプラントや再生治療の前に歯周病を治しておきたい方
  • 短時間での治療を希望する方
  • 将来の歯周病やインプラント周囲炎のリスクを抑えたい方(予防的治療)

治療の流れ

  • 初診・精密検査
    レントゲン、歯周ポケット検査などにより、お口の状態を詳細に把握します。
  • ブラッシング指導
    歯周病の原因となるプラークコントロールのため、お一人お一人のお口に合わせた丁寧な指導を行います。
  • 初期治療
    スケーリング(歯石除去)やプラークコントロールなど、基本的な歯周病治療を行います。
  • ブルーラジカルによる光化学療法
    ブルーラジカルを用いて、歯周ポケット内の細菌を殺菌します。
  • 再評価と継続的なメインテナンス
    治療効果の確認と、再発を防ぐための定期的なメインテナンスを行います。

ブルーラジカルの費用について

本治療は保険適用外の自由診療となります。

料金表

  • 1歯
  • 16,500円
  • 1/6ブロック
  • 55,000円
  • 片顎
  • 143,000円
  • 全顎
  • 275,000円
  • ポケット洗浄 片顎
  • 55,000円
  • ポケット洗浄 全顎
  • 110,000円

治療に関する重要な注意事項

ブルーラジカル治療は先進的で効果的な治療法ですが、いくつかの注意点がございます。

治療の適応について

  • すでに明らかに抜歯が必要とされる歯は、グラつきが完全になくなるものではなく、全ての歯を残せるわけではありません。
  • 口腔内管理が適切に行われていない方へのブルーラジカルのみの治療は原則としてお受けできません。
  • 治療の適応や効果については、事前の診断に基づき、詳しくご説明いたします。

治療を行えないケース(禁忌事項)

以下のいずれかに該当する方への治療は行いません。

  • 心臓ペースメーカーをご利用の方
  • 光線過敏症の方
  • 無カタラーゼ症の方
  • 局所麻酔ができない方
  • 妊娠中またはその可能性のある女性
  • 疼痛を伴う急性症状を有する方

治療中の感覚と治療後の変化

  • 治療は局所麻酔を使用するため、処置中の痛みはほとんどありません。麻酔の際にチクッとした刺激を感じることがありますが、できるだけ痛みを抑えるよう配慮しています。
  • 過酸化水素の影響で、治療後に一時的に歯肉が白く変色することがありますが、通常1日で元の色に戻ります。

治療におけるご理解と継続的なケアの重要性

  • 即効性のある治療ではありません。
  • 失われた歯周組織を再生するものではなく、細菌による歯周組織の破壊を防止し、歯周病の進行を抑制することを目指します。
  • 再発防止には、治療後の継続的な口腔衛生管理(セルフケア・プロフェッショナルケア)が不可欠です。 口腔衛生管理が不十分な場合、再感染を起こし、期待する結果が得られない場合があります。
  • 万が一ブルーラジカル治療が奏効しなかった場合、再度のブルーラジカル治療、歯周外科治療、抜歯等の外科処置をご提案する場合があります。

その他重要な点

  • 治療時間や回数は、治療する歯の種類や数、重症度によって異なります。
  • ブルーラジカル治療を施した歯の虫歯治療や補綴治療は、原則自費診療となります。
  • 当院では、患者様ご自身のセルフケアを含む術前・術後の口腔衛生管理を重視しています。そのため、当院で基本治療を終えられた方、または他院で継続的にメインテナンスを受けられている方に本治療を提供しております。
  • 他院でメインテナンスされている方は、かかりつけ医からの直近4ヶ月以内の歯周ポケット検査結果と、治療希望箇所のレントゲン写真のご用意をお願いしております。

当院では「できるだけご自身の歯を残す」ことを大切にしています。従来の治療では抜歯を避けられなかったようなケースでも、ブルーラジカル治療により歯を保存できた症例もございます。重度歯周病の専門的な治療をお探しの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

口腔細菌検出装置 orcoa(オルコア)

PCR検査で、レッドコンプレックスPg菌・Td菌・Tf菌のDNA検査をそれぞれ45分で検出します。検査結果は、数値で判定され、菌の存在の有無がわかりやすいです。患者さまの負担も少なく、来院時、歯間ブラシにプラークを採取するだけです。Pg菌の病原性は菌の表面に生えている毛状の突起「線毛」の型が左右します。線毛の遺伝子型はI型、Ib型、II型、III型、IV型、V型と6つあります。Pg菌は歯周病、インプラント治療をされている方にはインプラント周囲炎に非常に悪影響を与える病原性の高い超悪玉菌です。
更に、歯周病を発症しやすく症状の進行も早い遺伝子型の“スーパーハイリスク”II型のみを検出する検査も可能です。

検査はこのような方にお勧めします

  • 歯周病の治療が必要な方
  • インプラント治療を予定している方
  • 歯周病をコントロールしメインテナンス管理をしている方
  • 悪玉歯周病菌がいるか気になる方
口腔細菌検出装置 orcoa(オルコア)

歯周病菌が検出された場合はその方に適した方法で対応が必要です。検査は、歯周病治療の前後または必要に応じて定期的に行うことをお勧めいたします。

歯周病がある患者さまへの治療手順

虫歯を治療する場合

激しい痛みなどで急を要する場合を除いては、歯石除去などの歯周病の治療を並行して行います。

詰め物や被せ物を使う場合

歯石除去や正しい清掃方法の指導を行い、歯周病で腫れた歯茎を治療してから、詰め物や被せ物を入れます。歯茎をきちんと治療することで、詰め物や被せ物がきれいに入るばかりか、長持ちします。

知覚過敏と噛み合わせの場合

知覚過敏と噛み合わせの悪さが原因になる場合があり、歯周病と深く関係することも少なくありません。歯周病がある場合、歯周病の治療を優先するのはそのためでもあります。

歯周病は、治療が終了しても放置すると症状の再発や悪化が自覚のないまま起こることが多い病気です。治療が終了した後は、健康維持のため定期的なメインテナンスを行いましょう。

当院の歯周病予防のメインテナンス

  • 歯茎の再評価検査
  • 歯周病の程度に合わせた歯石やプラークの除去
  • 歯の表面のクリーニングとトリートメント
  • 清掃状況のチェックと清掃指導
  • 患者さまに合った歯ブラシや歯間ブラシ・デンタルフロス・洗口液などのご提案
  • 健康維持のための生活習慣のご提案
  • 必要に応じて歯周病菌検査